このプロジェクトはクライアントを含め8名の方と打ち合わせをして各住戸のプラン決定をしています。
皆さん趣味嗜好が異なる方々がひとつの建物を作ることになります。
『最大公約数』的に落とし所を考えながら設計をすると比較的まとまりやすいのですが、必然と住戸によって要望の受け入れに差が生じてしまいます。
一方ですべての要望を受け入れると住戸毎にデザインや空間の質に差が生じてしまい、完成時にショックを受ける住戸ができてしまうかもしれません。
それぞれ異なる住戸なので各戸で差が生じても問題はないのですが、各住戸の住環境の差を極力無くす事をコンセプトに掲げた建物なので、デザインや空間の質に極端な差はつけたくありません。。。
これだけ各住戸の差を気にしていながら、実は1戸だけ他の住戸より狭く、条件の異なる住戸があります。
かなりスタディを繰り返す事を覚悟したこの住戸。
クライアントの素晴らしい割り切りにより、魅力的な空間がスムーズに決まりました。
『覚悟』だなんて、取り組む姿勢がよくないですね。
やはり建築はクライアントとの対話による化学反応によるものだと再認識しました。
結果的には着地しにくい住戸の打ち合わせ密度を増やすことで前向きな化学反応をおこすことができたので、デザイン着地が早い住戸にも遜色ない魅力ある空間になったのではと考えています。
この楽しみな建築は年末完成予定です。
乞うご期待ください!
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